ぜひみちゃお、「もう一つの約束」

以前、韓国のサムソン電子の半導体工場で
有機溶剤を扱った労働者に白血病などのがんが多発しているという記事を、
日本の印刷会社SANYO-CYPの胆管がん事件とからめて紹介しました。
22歳で白血病で亡くなったファン・ユミさんが労災と認定されるまでの戦いを
映画にした「もう一つの約束」が日本でも公開されることになりました。



日本特別上映会開催「もうひとつの約束」
原題「 (Anoter Family)」(2014年・韓国、115分)
出演:パク・チョルミン、キム・ギュリ、パク・ヒジョン、イ・ギョンヨン
企画・脚本・監督:キム・テユン
制作:もうひとつの約束製作委員会

【日本上映会】
11/14(金)18時 名古屋 労働会館ホール(名古屋市熱田区沢下町9-7)
11/15(土)18時 大阪 エルおおさか 南ホール(大阪市中央区北浜東3-14)
11/16(日)18時 東京 なかのゼロ 小ホール(東京都中野区中野2-9-7)

参加協力券:1000円(前売制。上映委員会事務局または上映委員からお求めください)
問い合わせ先:「もうひとつの約束」上映委員会事務局 有限会社西ヶ原字幕社内
TEL: 03-3397-2235 / E-mail: 1yakusoku@jimakusha.co.jp

映画の詳しい情報は以下のHPへ
http://jimakusha.co.jp/1yakusoku/

韓国では普通に商業映画としてよい興行成績を収めた作品なのに
残念ながら自主上映みたいです。
ぜひ映画館で上映してほしいですね。

映画で描かれるドラマティックな出来事は
ほぼ事実に基づいています。
企業側がお金をちらつかせて労災請求をあきらめさせたり。
そのへん、日本でもある、アスベスト被害者に
安い示談金で口封じしてくる企業の手口と同じです。
被災者と家族は企業の妨害に加えて、周りの人からいろいろ言われたり、
戦いに疲れて家族がばらばらになったり、様々な困難にぶつかって挫折します。

もとのタイトルの「もう一つの家族」は
サムソングループのキャッチフレーズらしいのですが、
映画の中で被災者とその家族たちが一緒に戦う中で
「もう一つの家族だ」といいあって連帯感を深める場面があります。
サムソンの上っ面だけのキャッチフレーズに対して
皮肉を込めているのかもしれません。
あるいは本当の家族の絆を示しているのか、
そして最後までがんばり通した父親は労災との判決を
勝ち取るのですから。

しばらく前に、サムソンはやっと、労災にあった労働者とその家族に謝罪の意を表明し
現在は補償などの交渉を進めています。
しかし、サムソン側は被害者の補償の話はしても、
被災者側の要求する実態究明や今後の現れる被害者への対応などについては
後回し(もしくは避けている)にしようとしており、
まだ交渉は進んでいないようです。
今後、交渉がうまくいくように祈っています。