Black Corporation Award 2012

7月28日にブラック企業大賞2012の授賞式が東京で行われました。
投票された方も、授賞式のネット中継をご覧になられた方も多いかと思います。
堂々の大賞は東京電力、市民賞にワタミでした。
詳しくは、
http://www.labornetjp.org/news/2012/0728hokoku
http://news.nicovideo.jp/watch/nw322931

受賞した企業にはやはり見直し改善をお願いしたいですが、
報道される企業トップの言動をみると、とてもそのような態度が見られないところもあり、
難しいですね。
韓国の労組は、毎年労働災害死亡者の追悼習慣に、最悪の殺人企業選定式を行っています。
前年度にもっとも多く労働災害で死亡者を出した企業を選びます。
また、市民によるオンライン投票での特別賞もあり、
今年の最悪の殺人企業は現代建設、特別賞は三星(サムソン)でした。
韓国では、労働組合が労働者の命を守るための闘いとして、
追悼習慣にはこの殺人企業の発表のほか、様々な追悼行事を行っています。
今回のブラック企業大賞ですが、過労自殺を出した企業などがノミネートされ、
基本的には同じ意味合いではないでしょうか。
ブラック企業大賞は第一回だということですので、
来年以降も企業への授与を行う予定でしょう。
昨年度は史上最悪の原発事故がおこり、事故の責任とその後のひどい対応と
現在も維持し続ける原発労働者のひどい労働環境を考えると、やはり東電しかないでしょうが、
この受賞は電力業界を代表して授与されたと考えて欲しいですね。
他の電力会社では、たまたままだ事故が起こっていないに過ぎないのですから。
市民賞以下、負けずおとらずのブラック企業があがっていますし、
ノミネートされなかったけれど同じようなひどい労働条件の有名企業が
まだまだみなさんからあげられるという状況です。
でも、考えてみたらおかしなことです。
これら労働条件の悪い有名企業では、多くの人が働いています。
労働組合だってある企業が多いでしょう。
過労で身体を壊したりした一部の労働者が訴えて、問題が明るみに出た企業がほとんどですが、
それ以外の多数の労働者はどうしているのでしょう?
その人たちは、自分も危機に陥ってからやっと、動くつもりなのでしょうか?
首になりたくないから企業の言いなり、というのはある程度理解できますけれど、
でも何千人もの人がそれでしょうがいないと働いていること、
やはり、わたしは100%納得することは出来ません。
ネットにも、うちもブラック企業だ、今日はこれだけ働いた、
上司のだれそれがひどい、と書き込みはたくさん見られますが、
まさか、まだ下があるって安心しようとしているのか、
ひどいこと自慢をしても何もならないし、
ただ、ネットしかグチを出せる場所がないのかなあと悲しくなります。
前にも書きましたが、若い人たち労働組合を好きになれない。
その原因の多くは、労働者の権利を守れない企業内御用組合にも、
熱心に活動していても労組以外の人から支持を得てこれなかったか
共感を得る努力を怠ってきてしまった組合にもあると思います。
でも、ブラック企業の中で、自分を守る手段は
やっぱり同じ立場の者同士の協力や連帯ではないでしょうか。

ぜひ来年はノミネートしてほしい企業はいっぱいありますけど、
大阪の胆管がんを多発させた企業もそうですし、
労働組合活動を不当に非難し制限しようとしている某自治体も
特別枠でお願いしたいものです。
なにせ公務員の過重労働は有名ですから他にも該当自治体はあるかも。
でも、わたしはできれば、うちの職場はすばらしい、
ゆったりしっかり働ける、ディーセントワークが確立している、などなど
の職場自慢をぜひお聞きしたいです。
よいところを自慢をして、それをみなが見習って全体も良くしていくというのが、
安全衛生の基本ですから。