わたしたちは忘れない

3年がたちました。
わたしたちは忘れない。それぞれの想いを胸に、4年目を迎えよう。

先日告知した「震災と心のケアを考えるシンポジウム」に参加してきました。

3月9日(日)、神戸で開催された
阪神・淡路から20年 東北へのメッセージ 震災と心のケアを考えるシンポジウム」には
約100人が参加しました。
NPOひょうご労働安全衛生センターなどによる実行委員会が主催でした。
震災から3年がたったが、まだまだ心のケアの必要な被災者や支援者の現状について報告されました。
基調報告は兵庫教育大学教授の岩井圭司医師。
「復興期の心のケア −阪神・淡路の“苦いカルテ”を活かす−」と題して
阪神・淡路大震災後に心のケアに取り組んだ経験から、
時期に合わせた援助の重要性について報告されました。
災害直後は災害体験へのトラウマの予防などが重要ですが、
時間の経過に伴い避難所生活や先行きへの不安などのストレス緩和ケアや、
バーンアウト対策が必要となっていくこと、
遅発したPTSDの見落としの事例などをあげて、
ケアから「こぼれがち」な人があることなどたいへん勉強になる内容でした。
その後のパネルディスカッションでは、実際に復興に携わる自治体職員から
現状報告と問題提議がありました。
石巻市の出身でもあるいじめメンタルヘルス労働者支援センターの千葉茂さんが
コーディネーター役を勤めました。
岩手県職員労動組合の及川隆浩さんは岩手県の被害状況の資料も示し、
業務量が膨大になった職員への労働時間の問題、メンタルヘルス対策に
取り組んでいることを報告しました。
神河町から宮城県山元町へ応援で派遣されている職員の平岡民雄さんも、
実際に働く職場でメンタル不調の休職者がいて
人員不足が続く状況について話しました。
阪神・淡路大震災で勤務する役所が被災し、
混乱の中、職員として遺体安置のための搬送まで行い、忙殺される中、
市民からの苦情対応をしなければならなかったと三木平さんは語りました。
最後のパネリストは神戸新聞の長沼隆之さんで
災害取材での心のケアについて学習会をした直後に東北の震災があり、
被災地の新聞社などにアドバイスしたことや、
昨年、宝塚市から岩手県大槌町に派遣された職員が自死した事件をきっかけに
神戸新聞連載された応援職員の実態にせまった記事を企画したことを報告しました。
今回語られた長時間労働、心のケアの他にも復興に携わる労働者の課題は
たくさんありますが、労働安全衛生問題に取り組む労組、
安全衛生センターなどが、今回のシンポジウムで現状・問題意識を共有でき、
有意義な集会でした。

以上、簡単に報告まで。