楽しい職場作り♪

この3−4年ほど、メンタルヘルスやいじめに関する
取り組みが増えたこともあり、
これらのテーマでの講師依頼がぽつぽつと入ります。
今月は2度、人前で報告する機会がありました。
1つは労組の労災職業病をテーマとする交流会で、
精神障害の労災認定状況を巡る問題などについて
お話しました。
もう1つは幼稚園の先生たちの労組による学習会でした。
これは以前私の講演が新聞で紹介されたのを
ご覧になったことから依頼がありました。
いただいた題は「楽しい職場作り」。
ゆったり働こうキャンペーンをやっている者としては
うってつけのテーマです。
会場には子どもさん連れのために保育コーナーも設けられ、
講演後の報告交流会は会食しながら行うということで
和やかな雰囲気でした。

このときお話したことを少し。
厚生労働省は「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」
を発表した後、さらに企業でのパワハラの実態や取組みの把握のため
委託事業を行い、2012年12月に実態調査の報告書を公表しました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002qx6t-att/2r9852000002qx9f.pdf

調査対象が30人以上を雇用する企業だったので
何らかの相談窓口を設置する企業は7割、
そして実際にパワハラの相談があったのは3割
ということでした。
その他、細かく見ていくと、大変興味深い内容です。
その中で「パワハラがある職場に共通する特徴」
を質問したところ、
企業の回答は
 ・上司と部下のコミュニケーションがない職場 51.1%
 ・様々な立場の従業員が一緒に働いている 21.9%
 ・残業が多い・休みが取りにくい 19.9%
従業員では
パワハラ経験者の場合
 ・様々な立場の従業員が一緒に働いている 46.0%
 ・残業が多い・休みが取りにくい 40.5%
 ・上司と部下のコミュニケーションが少ない 35.2%
となっています。
また、パワハラ未経験従業員の回答を
パワハラ経験者の質問と比べて、
回答のパーセンテージに特に大きなギャップが
あった項目がありました。
 ・残業が多い・休みが取りにくい 18.3 point
 ・上司と部下のコミュニケーションがない職場 17.4p
 ・失敗が許されない・失敗への許容度が低い 17.9p
これはパワハラを経験したことがない人の職場には
当てはまらないことが多いけれど、
パワハラのある職場には多い条件ということになります。
どうでしょう、この3つ。
あなたの職場には当てはまりますか?
では、働きやすい職場とは、この反対の職場
ということになるのではないでしょうか。
残業が少なくて休みもきちんと取れる、
上司ともコミュニケーションが良く取れて、
失敗に寛容な職場。

そのような職場にするにはどうすればよいでしょうか?
労働組合はそのために力になれる強い手段のひとつです。
労組の学習会でしたので、このような学習会で勉強すること
を含めて、労組に出来ることについて話しました。
労働組合でも取組みが難しいと思われるかもしれませんが、
労働組合にしか出来ないことがあります。
・当事者に寄り添い、職場内で支えること
・問題解決のために会社と団体交渉すること
・職場内を改善すること
など、私たちのように外部で相談を聞く者には出来ないことです。
また、いじめにあってしまった場合にどうするか、
このブログで「今日から出来ること」で書いたような
こっそりでも話が出来る見方を作っておくことや
ICレコーダーや記録をつけて証拠を残しておくこと、
他に、職場でつらくてもがんばるため、
仕事で否定されても自分をすべて否定されたわけではない、
そう思えるように
自分が自分らしく、ほっと過ごせる場所を確保しておくこと
それもとても大事です。
家族や、親しい友人、趣味の仲間など。
そして、最後はやっぱり
自分の健康を第一に考えること。
つまり、メンタル不調などの傾向がでたときは
速やかにその場を離れる、休むということです。
これが遅れて、回復するのに何年もかかるような病気に
なってしまったり、ひどいときは
命を落としてしまうということのないように。

またドラマ「ダンダリン」の話ですが、
8話め某殺人企業の居酒屋チェーンをモデルにしたような企業が登場し
最後は社長に研修が社員の自発的意思でなく、
強制であったことを認めさせる話でした。
終盤近く、段田凛がとてもかっこよいことを言います。
正確なセリフではありませんが、
会社に従うか辞めるか以外の3つ目の選択肢がある、
それは自分で職場を変えること、と。
それは難しい、でもみなさん、最初からあきらめないでください。
みながつながればできることもあります。
労働組合のみなさん、がんばりましょう。